夏になって、草木の伸びるスピードが速くなってきた頃のこと。
剪定という作業もこまめに行わなければいけない時。
刈り込みででた枝や葉はまず“集草袋”にまとめます。
多くの庭は歩道沿いにあるため、
行き交う人々から声をかけられます。
「その袋の枝、捨てるのならいただけないかしら?」
「ありがとう。この白っぽい葉は何の木かしら?」
会話が始まります。
・・・と、それならいいのですが・・・
中には、黙って袋に手を入れ、
良い枝を探し出し、周りに枝葉が落ちてもお構いなしに
堂々と持ち帰る人がいます。
あっけに取られて見ていると、
不機嫌そうにして、それでも枝を持ったまま立ち去るのです。
(いや、そんな顔、したいのはこちらの方なんですけど・・・)
車の荷台に積んであったとしても、車の中から持っていくのも平気です。
さて。その選び抜いた枝や葉。持ち帰ってどうするのでしょうか。
花瓶に入れて玄関や床の間に飾るのでしょうか?
かっこ悪いと思うよ、その美意識。
そう。まず、ひと言かけてくれたなら・・・。
言葉を交わすというのは(お互いに)気持ちのいいことなんじゃないかなぁ。
家に花を飾るのと同じくらいに。
(グリーンデザイナー Kaoru)