日常

春の訪れは園庭から

私たちの勤める保育園の園庭には、さまざまな植物が植わっている。
日差しが暖かくなるこの頃、一気に園庭は春の訪れを感じさせる変化が現れる。

いつの間にかクリスマスローズの花がたくさん顔を出し、ブルーベリーとチューリップの花が満開に。
ミントの葉が青々と背を伸ばし、マーガレットやモッコウバラははちきれそうな蕾をふくらませている。

植物を育てるのは大変なことももちろんあるが、都会の園でも立派に育つし、子どもたちの反応が何より嬉しい。1~2歳の子どもたちでも、お花の名前を伝えれば一緒にがんばって繰り返して言ってくれたり、摘み取った花を保育室で水に挿して大事に大事に眺めてくれたり。

子どもたちには植物の存在がどんな風に見えているのだろう。
今すぐ何かが大きく変わることがないとしても、季節の移り変わりを感じたり、花を愛でたりする経験が、きっと五感を通じてじわじわと子どもたちの人生の味わいとなっていくと信じているから、育てることはやめられない。

夏野菜を植える5月の準備として、給食室から野菜くずをもらい、古い土を再生させる。春が終わっても、今度はたくさんの野菜たちが子どもとともに生きていく。休んでいる暇はないんですよね、保育園の園庭も。

(食育インストラクター講師)



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