日常

子育てしながら保育士をするって無理なこと?

ふだん勤務している保育園では、出産を経て復職する先生たちがとても増えている。ありがたいことに、産休前のヒアリングの時点では、全員が「育休後は復帰したい」と答えてくれる。
そこで浮上してきたのが、時短固定勤務を皆に希望されると、シフトが回らないという問題だ。

同様の悩みを持つのは、保育園だけではないと思う。でも、他のシビアな業種に比べて、キャリアよりも子どもと過ごす時間を大切にしたいと願う保育士は多く、長い目で見てどんな働き方を作っていけばいいのか、見通しが立たない職員も多いのが事実だ。

家族、特に子の父親や祖父母が協力的な家庭であれば、シフトに入ったり、土日の行事や研修にも参加しやすいかもしれない。でも、ママがワンオペ中心の家族であれば、外部のサービスに頼るか、同じ働き方をあきらめることになる。まだまだ日本では、女性の方が圧倒的に家事や育児に割く時間が多いことは、さまざまな調査で明らかになっている。

保育士に長期的なキャリアアップの視点を持つことが求められるようになり、キャリアアップ研修と名前のついた研修が広く行われている。専門性を高めることはもちろん大歓迎。でも、その研修で、本当のキャリア志向は残念ながら身につかない。

私がいつも学びを得ている方の一人に、仕事のつくり方や文章の書き方を教えていらっしゃるコピーライターさんがいる。その方は、無我夢中で走っているように見えるが、ご本人曰く、ダメ人間とのこと。ごはんを作らず仕事に没頭していたら、そのうちにパパと子どもたちが美味しいごはんを作ってくれるようになったそうだ。

家事も育児もすべてを抱えてがんばることだけが母親の働き方ではないし、それが子どもに見せる背中で本当に良いのか。多様性が求められ、AIを使いこなしていく時代を生きるこれからの子どもたち。私は仕事をあきらめずに、心地良い仕事とのつき合い方を作り続けていきたいと考えている。

(アドバイザーS)

関連記事

TOP